吸血ロミオ



「さあ、君はどんな味がするかな?」



センパイの顔がぐっと近付いてきた、その時。




「〜っ!」



ーーバシッ!



あたしはとっさに本日2回目のビンタをしてしまった。


1回目よりもいい音が放課後の校舎裏に響き渡り、あたしはその場から逃げ出す。








「あーあ、逃げられちゃったか……

見られたのをそのまま放置しておくのはまずいんだけど……」


センパイは唇を真っ赤な舌でペロリと舐めると、ほくそ笑んだ。



「……まあ、いいか。ああいう子もそそられるし。

高峰小春、絶対君の血を吸ってみせる」










う、そ、だよね…?


未だに見た光景が信じられない。