吸血ロミオ




センパイが口元を拭うと共に、気絶している彼女の体がゆっくりと崩折れる。



センパイはそれを抱き止めると、校舎の壁にもたれかかるようにそっと下ろした。



「き……っ!」


それが拍子となったのか、今まで呆然としていたあたしはマヌケな声を上げてしまった。


とっさに口元を押さえるが、もうおそい。