放課後。
ワイワイとたわいない話をしながら家に帰る時間。
あたしはいつもは帰る方面も一緒の智花と帰っているんだけど、今日は違う。
『ほんっと!ごめん!』
智花に一緒に帰れないことを謝ると、智花は全く気にせず「行ってきなー」と送り出してくれたのだ。
……ありがとう。友よ。
あたしは若干キンチョーしながら三年の校舎に向かう。
上級生の校舎に行くなんて初めてで、やっぱりドキドキしてしまう。
……どうしよう。
いくら彼女になったとはいえ、厚かましいかな……
ええい!弱気になるな!
……センパイと一緒に帰るんだ!
誘うセリフの練習もなんどもしたし、大丈夫!
あたしはフンっと鼻息も荒く、センパイのクラス、三年A組に向かった。
この高校は都内でもなかなかの進学校で、三年生からはA組からE組まで成績順でクラスが分けられるのだ。
だから、センパイは成績もいいということで………もう!どんだけカンペキなんだよ!
神様に愛されすぎだよ!センパイ!
なんて、くだらないことを考えてる内にA組の前まで来てしまった。