センパイがあたしの言葉を遮った。
ごめんなさい!さっきはビックリしちゃっただけで!
あたし、男子とキスなんてしたこともなくて戸惑っちゃったんです!
だから、けしてイヤだったワケじゃなく……
頭の中にとっさにあらゆる言い訳が繰り広げられる。
……でも、そこであたしの謝罪スピーチはストップした。
……あれ?センパイ、今「ごめん」って言った?
きょとんとして下げていた顔を上げる。
「……付き合ったとはいえ、いきなりあんなことされたら、ビックリするよね。
さっきはごめん」
……別れ話、じゃない?
「わ、別れなくてもいいんですか⁉︎あたし、ビンタなんてしてしまったのに……」
予想外の言葉にビックリして、つい大声が出てしまう。
センパイは不思議そうに首をかしげた。
「なんで、君が失礼なワケ?
突然あんなことして失礼なのは俺の方だよ」
「……じゃあ私を呼んだのは別れ話じゃなくて……」
「……謝りに来たんだよ」
……なぁんだ。別れ話じゃなかったんだ……
ホッとして力が抜ける。
それにしても、センパイ、失礼だったのはあたしだったのに、許してくれるどころか逆に謝るなんて。
なんて、心の広いお方だろう。
みんなはクールで人を寄せ付けないって言ってたけど、あたしはそうは思わない。
やっぱりセンパイはあの日会った時と変わってない優しい人。

