吸血ロミオ




あたしは嫌な予感を抱えながらも、手招きするセンパイに向かって小さく頷いた。



廊下で二人連れ立って歩く。


当然、二人の間に会話はない。



……うぅ。気まずい。


それにモテることで有名なセンパイから呼び出されたことで、他の女子たちの視線がグサグサと刺さる。


「あれ、カノジョ?」


「まっさかぁ。だってあの子、フツーじゃん」


……グサッ。


悪かったね、フツーで!あたしなんからセンパイのカノジョにふさわしくありませんよーだ!



「……あのさ」


不意にセンパイが立ち止まった。


真剣な瞳で見据えられる。


……どうしよ。あたし、別れたくないよ。


センパイの次の言葉が怖い。


「さっきのことだけど……」


……やだ。このまま別れたくない!


そうだ。謝れば……


あたしは意を決して、身体を半分に折りたたんだ。


「あの!さっきはごめんなさ……」




「……ごめん」