〜回想〜

ーあれは中学生の夏だった



霧島と出会ったのは




私はもともと地味な女の子



兄にもいじめられ、学校でも陰湿なイジメを受けていた



キーンコーンカーコン、キーンコーンカーンコーン



掃除の時間



私はごみを捨てるためごみ捨て場に行った





ー上から水を流された



女子生徒A
「あ、ごめーん。手がすべっちゃった」



男子生徒A
「おいおい、可哀想じゃん!あーあ濡れちゃったよ地味子」


女子生徒B
「地味子、大丈夫ー?」



「だ…大丈夫…で…す」


男子生徒B
「まぁ、地味子なら平気でしょ」



もう…こんな日々は嫌だ…




「君たち、こんな所で何してんの?」



男子生徒B
「げ、霧島じゃん…逃げろ」



女子生徒A
「え、なんで逃げるのよ、待ってよ」



イジメの主格犯達は逃げていった




「ずぶ濡れじゃん。大丈夫?」



そう言って霧島っていう人はタオルを差し出した



「え…」



「これ、使って。返さなくていいから」



「あ、ありがとうございます」



「もっと自分に自身もちなよ。可愛いんだからさ、じゃあね」



「////カァ~ッ…」






〜回想終了〜






この何気ない出来事だけど、私にとっては救われた


あっちは、覚えてないと思うけど




あれは、私の初恋





こうして今の私があるのは霧島のおかげなんだよね







でも、霧島は多分莉梨香のことが好きだよね




なんか胸がズキズキする…



やっぱり、今も昔も届かないな…



菜月は、あのタオルをギュッと握りしめた