幼なじみはアイドルの先輩~女の子から女性へ

壁掛けの時計で時間を確認すると、そろそろここを出ないといけない頃合いだ。


「行く前にいいか?昨日付でワシの事務所に移籍させたメンバーのことは聞いてるか?」


「ああ」


「杏ちゃんが卒業してこの分野を店じまいにするのはもったいないし、天の声がこの子たちは埋もれてる感半端ないから移籍させなさいとお告げが聞こえたんでね」


これだけ真顔で言われれば変に納得しなければとなぜか思う。


アイドルと言うジャンルを敬遠してた男が、頻繁に劇場やライブを観戦してるんだからなあ。


俺たちより見る目があるかも知れない期待から黙認しましたよ。


「売り出し方は杏ちゃんの手法を使わせてもらう。事務所の顔になるようじっくり育てていくから」


「期待してますよ」


意外に楽しみにしてるんだよな。


スポットライト浴びずに去っていく者が一人でも減ってくれれば。