水原家の優しさに思いっきり乗っかることにしました。


「あなたはどんな話をしたの?」


「あたしは、とてもつまらない相談と言うか世間話と言うか」


「サブローさんの話をーー」


「大学院目指してみようかって話と劇場の収益倍増にはどうしたらいいかなあって話の続きをご飯食べながら聞いてくれる?」


「…………お土産たくさん買いますから、ご飯いただきまーす」


優しさの裏側を覗いた気分になり、いち早く目を背けた。


私が多少面白くしようとしたのが間違いでした。


杏の相談は私よりさらに大人レベルでないと噛み合わないです。


私にも限界というものが存在しますから。


ここからは素直に水原家のご厚意にひたすら甘えさせていただきます。