幼なじみはアイドルの先輩~女の子から女性へ

「そうなのか!!凄いこと決めたな」


「ただし、拒否権を行使するには劇場側の統一した代案を示していただく必要があります。代案が示されれば我々はその代案を受け入れますが、三日を過ぎて決定がなされても無効になります」


「拒否はしないのか?」


「いたしません。誰かが渋って抗議しても受け入れません。持ち回りの取締役会議で報告のみになります」


さっきから見えない部分を真帆さんにつんつんされてる。


これは私も驚きだよ…………。


それなりに力を持つことになるんだからさ。


「その拒否権はゼネラルチーフのみの権限か?」


「はい。チーフと代行にはないです」


女性が権力持ったら国はなんちゃらと言うけど、下手したら私がそうなるかも知れないってことですよね。


「昔の騒動の際にはいろいろ意見を頂戴しまして。我々が原因でもあるので、規則に組み込もうと決めました。杏さんにはあの時不便をかけてすみませんでしたね」


いやいや。加登脇さんが謝ることはないですよ。


あの当時は加登脇さんにも無理なこと頼みましたし。


私の海の向こうでひらめいた思いつきが会社の規約改正にまで…………。


また武勇伝の一ページに追加されるよ。