幼なじみはアイドルの先輩~女の子から女性へ

「水原ゼネラルチーフに関してなんですが、今までと変わらないということでよろしいでしょうか?」


「はい。杏さんは今まで通り各劇場チーフ・チーフ代行と一緒になって劇場運営に力を注いでください」


「社長、これを言わないとダメですよ」


榊さんが机に置いていた水色のファイルから一枚の紙を取り出して加登脇さんに手渡した。


「そうでした。今回会社規則を一部変更したので言わないといけませんね」


加登脇さんは恐らく老眼鏡をかけて一通り目を通した。


「今回取締役会議で一部規約を改正または付け加えました。劇場に関してですが、劇場の独立性を保証するために拒否権が設けられることになりました」


「拒否権!?」


「拒否権ですか?」


劇場側が目の色を変えましたよ。


社先生も聞いていなかったみたいで、ガチで驚いてる。


「拒否権と言うのは、GGS首脳及びガーネットグループ制作責任者が劇場に影響を及ぼす施策を決定した場合、GGSが臨時取締役会議を開き、過半数または多数の承認を得た後に劇場側へその内容を速やかに報告します。そして、承認から三日以内に劇場側が会議を開いてどうしても受け入れられないという決定がなされれば、ゼネラルチーフがGGS首脳に施策拒否を通告します」