午後の授業の始まりのチャイムが鳴ったので

急いで教室に入る。

「あーっ、はぁっ、疲れた!・・ふぅー。

学食からっ教室までっ、が、遠すぎるっ。」

走ったせいか、息切れがする。

私達1年生の教室は、

生徒玄関から校内に入ってすぐ左側。

学食は校内に入って右側の廊下を

まっすぐ進んだ所を左に曲がって

ずっと進んだ第1体育館の隣にある。

しかもうちの高校は廊下が無駄に長い。

1年生からしたら迷惑。

「それよりさ玲奈、ちゃんと課題やってきた?

まさかあんた、昨日もYouTubeずっと見てて

やってませんー、なんて、言わないでね。

今日は見せてあげないから」

ちょ、ちょっと!!すごい正解!!

ー広瀬 由羅(ヒロセ ユラ )ー

この子は私の親友。

頭良くて可愛くて、染めてないのに

綺麗な茶色い髪。

長くてふわふわ揺れる髪からは

いい匂いのシャンプーの香りがする。

肌の色も私に負けじと白い。

違う、由羅のこれは美白。

顔も小さくて、もう本当に

隣にいることがたまに恥ずかしくなる。

この見た目に頭の良さ。

ちょっとドSだけど

そこがまたギャップがあっていい。

だから学校でもモテるの。

入学したばかりの頃なんて

何人もの先輩にコクられてる。

だけど由羅は全てお断りしたらしい。

由羅は校内1の美人さん。

そんな彼女の隣には

男子にはいつもバカにされる

頭も由羅と真逆で学年1悪い

ボロ雑巾と同じような扱いの私。

私は由羅の引き立て役。

だけどそれでもいいの。

可愛い女の子を毎日隣で見られる幸せ♡

私はイケメンと可愛い子が大好き。

見てるだけで癒される。

自分と正反対だからかな。笑

「ねぇ、玲奈聞いてる?!」

由羅が耳元で叫ぶ。

「びっくりしたじゃんもうー。

んで、なんだって?笑」

「だーかーらっ、課題やったのって」

あー課題の話。

由羅が昨日の私の行動を見たかのように

課題をやって来てない理由を当てたから

びっくりした。

「そうだよ〜由羅当たり!正解!!」

「もう!正解じゃないよ!

今日は本当に見せてやんない!」

由羅はぷくっとほっぺを膨らませて

自分の席に戻っていった。

なにやっても可愛いな〜由羅は。