2月14日

ついにバレンタイン当日。

男子は朝からロッカーを見たり

机の中に何度も手を入れて確認したり。

なんてことは去年までの話。

「岩橋くん!これ受け取って!!」

「永瀬くーーーん♡チョコ好きぃ?!」

「岸くんのために昨日頑張ったの!!」

クラスの女子はほぼ

転入生アイドルに群がっている。

その中に他クラスの女子も数人混ざっている。

私の席まで巻き込まれるほどの

女子の大群。

登校してきた時にはもうこの状況。

岸くんもやっぱり囲まれてる・・・

もはや岸くんは1番人気で、

私が今立っている教室の入り口からは

鼻の先端部分くらいしか見えない。

「ねぇ玲奈ぁーもうこれ、

渡せるチャンスない!!」

今登校してきたらしい由羅が

私の左肩に寄りかかって弱音を吐く。

「せっかく作ったんだし

渡してきなよ。あの中に行っておいで!!」

「やだ、絶対やだ。

ちゃんと気持ちも伝えたいの!!」

「え?!告白するの?!」

つい声が大きくなる。

「ちょ、玲奈声でかい。

放課後、渡す予定。告白もする!」

小さくガッツポーズする由羅。

私、出遅れてるじゃん?!

チョコも結局作らなかったし。

渡すようなものもない。

ど、どうする?!

いや、焦ることはない。

だけどこのままじゃ、

由羅と岸くんの距離は縮んでいく。

縮んでいくだけならまだいい。

今日告白して、付き合うことになったら?!

あぁ、私終わりだよね?

どーすればいい?!