萌音は優しそうに微笑むんだな。

俺はそれを口にしようとしてやめた。

いまは、からかいたくなかった。

この、優しそうな顔の萌音をずっと見てたいとおもった。

なぜか、萌音の前だと素直になれた。

「俺さ、甲子園に出るのが夢なんだ。」

「だと思った。」

「なんで俺の夢知ってるんだよー」

「野球が好きって顔に書いてる」

そして、萌音は笑った。
その笑顔はさっきの作り笑いとは違いほんとに楽しそうな笑顔だった。

こんなにわかりやすい子初めて出会った。