*********
「お疲れー。陽太、着替えんのは車の中でいいからさっさと荷物まとめろ」




「うぃす」




汗だくの陽太は持ってきたバッグに私物を入れ、ウィッグを外して髪をわしゃわしゃとかき乱した。




「あ、陽太!タオル」




あたしは美月さんにもらったグッズのタオルを陽太に渡す。




「あぁ、ありがと」




ドキッ




陽太が急に笑うからか、あたしはドキッとしてしまう。




「彩羽、車回すから準備できたら陽太連れてきて」




「わかった」




陽太がタオルで汗を拭いている前に立っているあたし。


……何かできることはないのかな。




って思ったけど、ないよね。




「彩羽ちゃん、陽太くんお疲れ様!!突然頼んだのに受けてくれてありがとう!」




麗ちゃんがペコペコ頭を下げるからあたしは陽太を指さして言った。



「いやいや、陽太でよければいつでも貸すので!!」




「なんでそんな偉そうなんだよ」




「ふふ、ライブ頑張ってね!!」




あたしたちは Midnight Wolf のみんなと別れて陽太と駐車場に向かった。




「彩羽」




「ん?」




「ありがとな、ついてきてくれて」




ドキッ




陽太にポンポンと頭を叩かれて頬が熱くなる。


些細なことにドキドキしてるなんてばかみたい。でも……もしかして




この気持ちって_