「自由人だな~、いつもあんなんなの?」




「あぁ……まあ、あんな感じですかね」




日頃の陽太の行動を思い返してみたら、こんな感じの陽太ばかり思い浮かんだ。




「ほ~?それでも今をときめく人気アーティストかよ、あいつ」




「無気力でも人気が出るのがイケメンのずるいとこだよな」




「アユ、あんたそれただの僻みでしょ」




運転席のアユが美玲ちゃんの冷静な指摘に肩をビクッとさせた。




「そ、そそそんなことねえよ!!つーか美玲、お前シートベルトしやがれ!つーかもうテレビ局着くからウィッグかぶれ!!」




「へーい」




美玲ちゃんは慣れた手つきでミルクティー色のロングヘアのウィッグをかぶった。




「それと麗、お前さっきからいろいろ食ってるけどそれ衣装だからな?汚すなよ?絶対だからな!?」




「ぎくっ」




麗ちゃんの方を見てみると、幸せそうな顔でクロワッサンを頬張っていた手を止め、ササッとパンくずを払った。




「麗、これ事務所の車だけど」




「あっ!!……まあいいや、どうせアユが掃除するでしょ?」




「おい麗ふざけんな」




そんな三人のやりとりを呆然と眺めていた私。

なんか……




「ふふっ……」





おもしろい





「おい彩羽!!笑うとこじゃねえぞそこは!!」




「あっ、ごめんなさい」