「おはよう、夕暮」




「え?あぁ、おはよう立花くん」




梨華の後ろからひょっこり現れたのは私の隣の席の立花陽太(たちばなひなた)くん。


天然パーマでふわふわした茶色の髪の毛、整った顔。




その容姿は学年でもずば抜けていて、学年問わずモテモテなんだよね。




「ちょっと立花ー、あたしの存在は無視ですか?」




「あはは、わりぃわりぃ、おはよう緑山」




「もう、あたしを怒らせたら怖いんだからね?」




「はいはい、気を付けるよ」



そう言って立花くんが微笑むと、急に教室の後ろの方が騒がしくなった。



「陽太ー!」



「キャ!!ちょっと彩羽、生徒会の四天王がいるよ!!」



「あれ、四天王って立花くんも入ってなかったっけ」



正しく言うならば四天王の3人だ、じゃない?




「細かいこと気にすんな!!蒼せんぱ~い!!」



梨華は声を高くして後ろのドアへ。


気づけば立花くんもそっちに移動していたらしい。




まあどっちにしてもあたしには関係がないから、数学の予習をしよう。そう思って席に着いた。