「楓、起きろ」



陽太は寝ている楓先輩の頭をパシッとはたいた。




「……ん、なんだよ陽太」




なんだよ、じゃなくないですか楓先輩。ここあたしの部屋で、しかも先輩立ったまま寝てたんですけど。




「寝るなら自分の部屋で寝ろ」




「別によくね?誰の迷惑になるわけでもないのに」




「おい、楓それ本気で言ってんのかよ?」




あたしの迷惑になるよね、どう考えても。




「さ、行くぞ」




陽太は楓先輩の背中を押して部屋を出て行った。




「ふう……」





今日一日で分かったこと。それは……



前途多難、ただそれだけ。