「……魔法じゃねえよ」 「え?」 「……お前がおばさんと仲良くなれたのは、お前自身の力だ。オレはただ、アドバイスをしただけだ。 ……オレはただの黒猫で、魔法使いなんかじゃないんだ。……ウソついて、ごめん」 うつむいた顔が上げられない。 少女はがっかりしたのか、何も言わない。 ズキズキと罪悪感が広がっていく。 そのときだった。 「……でも、私にとっては魔法だよ」