おばさんの手からおぼんを取り、自分の部屋に向かう。
そのとき、ふわりと両肩に温かな手がふれた。

「……ねえ、今日は、1階で食べない?」

「……え……」

「あなたはいつも寝ていたり、部屋にいることが多かったけど……。体の調子がいいなら、一緒に食べましょう?」

柔らかな微笑みとその言葉に、私は胸がいっぱいになった。

……もっと早く、向き合ってみればよかったのかもしれない。

私は何度もうなずき、おばさんの隣を歩いて1階に向かった。