「褒めてねーっつの!それじゃあ、お先な!」 飽きれた顔で笑うと、お兄ちゃんは家を出て行った。 「やっぱカッケぇよな、祥ちゃんは!」 「お前には程遠いな」 お兄ちゃんを羨ましそうに見送る秀真に、意地悪なひと言を浴びせて悠は門を出た。 「“お前には”って……じゃあ、ハルなら近いのかよ?」 「そういう意味で言ってんじゃねーっての」 二人のやり取りや会話は、いつも面白くて飽きない。 「何笑ってんだよ」 小さな声で笑っていた私に気付き、秀真がムスッと膨れた。