「何だ、悠。お前、まさか窓から入って来たのか?秀真はちゃんと玄関から入って来たぞ」
一階に降りて行くと、スーツをビシッと着こなしたお兄ちゃんが玄関に居た。
日比野祥吾、18歳。
大好きな私のお兄ちゃんで、春から有名私立大学に通っている。
制服も似合っていたけど、スーツも様になってるなぁ……。
「秀真は玄関からじゃねぇと来れないってだけじゃん。俺は玄関より窓の方が早ぇんだよ」
と持っていた自分の靴を投げた。
「相変わらず、お前生意気だな」
「そりゃ、どうも」
悠はニッコリ笑って自分の靴を履く。
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