「どうしたの?」
「いや、明里が心配で」
秀真はそう言って私の顔を覗き込みながら
「よし、泣いてないな」
と頭を軽く撫でる。
「さっき散々泣いてきたし」
秀真の手はいつも温かくて優しい。
「散々泣いたって、明里は泣き虫だからな」
とクスクス笑う。
「明里に渡したいものがあるんだけど、目ぇ瞑ってくれない?」
「え、何でわざわざ?」
「いいからいいから」
そう言われて仕方なく目を閉じる。
「じっとしててね」
と言ってから秀真は私の髪に触れた。
「はい、いいよ」
目を開けて秀真がくれた物を持っていた鏡で確かめると。
「うわ、可愛い」
彼がくれたのは花柄のヘアピンだった。

