「お前ら、何やってんだ」
パシッ、と頭を叩かれて顔を向けるとクラス担任の江藤が立っていた。
「仲がいいのは結構だが、もう式始まるんだからさっさと自分の場所へ戻れ」
「はーい」
先生に注意された秀真は素直に返事して、自分の列へと戻った。
「ところで日比野。今野はどうした?」
「頭が痛いので保健室に行くと言っていました」
悠に頼まれた通り適当に誤魔化すと、いつもの如く先生は“まったく……”と呆れ返った。
誤魔化しても先生には仮病だってことぐらい、馬鹿じゃないから分かっているはずだ。
「いくら成績には関係ないからって、アイツは一体何考えてるんだ。次からは縄で縛りつけてでも連れて来いよ?」
「あ……はい……」
縄で縛りつけても、絶対悠は来ないと思うけどなあ……。

