隣りの恋ゴコロ



「はあ?!また?!」


式という式には全然出なくて、先生に悠の姿が見当たらないと言われれば“腹痛で保健室行くと言っていました”と適当に誤魔化す。


いつの間にかそれがあたしの役目になっていた。


“頼んだぜ”=“適当に誤魔化しといて”という意味なのだ。


「ちょっと、何モタモタしてんの?置いてくよ!」

「あ、待って!」


ったく、悠のヤツ本当にしょうがないんだから!


廊下に出ると、祐実と一緒に体育館に移動した。



「今野くん、また彼女とサボり?」

「うん、そうみたいだね。さっきも一緒だったくせに、本当によく飽きないわ。でも、今野くん達を見ていると時々思い出しちゃうんだよね」

「思い出すって何が?」

「あんた達のことに決まってるでしょ」


そう言って祐実が私の顔を見た。