「――あ、そろそろ体育館に移動しないと」
祐実が先に廊下に向かう。
「ねえ、祐実。結局何が言いたかったの?」
「それぐらい自分で考えなきゃ意味ない」
分からないから聞いているのに……。
「悠」
後を追いかけようと席を立ちあがった時、教室に悠の彼女がやって来た。
「おお、梨花来たか」
自分を囲んでいた女子から離れ、悠は彼女の元へ。
「明里、あとは頼んだぜ」
「へっ?!」
悠は彼女の肩に手を回し、体育館とは反対方向へと歩き出したのだ。
「ちょっと、悠!何処行く気?!体育館はそっちじゃ……」
「見りゃ分かるだろ。サボんだよ」

