「……冗談だっての。つーか、これじゃあ秀真が逆に可哀相になってきたわ」
またしても意味の分からないことを言われる。
「ま、勝手に楽しんでくれば?俺は忠告したからな」
悠はそう言ってポケットに手を突っ込むと、自分の席に戻って行った。
「悠の馬鹿っ、阿保ったれ!」
本人に聞こえるように怒鳴っても、聞こえないフリをして、女の子たちと喋っているから余計に腹が立った。
「本当にイライラする!」
何で悠にあそこまで言われなくちゃいけないわけ?!
「明里ってさ……超がつく鈍感だよね」
ずっと傍で見ていた祐実がそう言う。
「何処が?そんなこと無いじゃん」
「自分が鈍感だってことに気付かないところが鈍感だってば」
と呆れたような顔を浮かべた。

