「俺ら、随分と遠回りしたよな」
「うん。でもだからこそ、今のあたし達が居るんだよ」
「だな」
笑いあいながら、またキスを交わす。
「……これ以上はやめとく」
と悠が自分に言い聞かせるように言う。
「私、怖くないよ」
「俺が嫌なの。明里をもっと大事にするんだって決めたんだから」
悠はそう言ってゆっくり離れた。
「そんな物欲しそうな顔すんなよ」
「なっ?そんな顔してないし!」
「お前、嘘吐くの下手。怖くないって言いながら震えてただろ」
悠の言うとおり、怖くないなんて嘘だった。
でも悠が求めてくれれば拒むつもりもなかった。
「そんな焦らなくていい。俺らには俺らのペースがあるんだから」
と悠はオデコにチュッと口づける。

