「明里」
「ん?」
「このまま一時限目サボろうぜ」
「えっ?」
「今戻っても何かみんな騒ぎ立てるだろうし」
そう言って悠は渡り廊下のドアを開けた。
「ちょっと落ち着いてからの方がいいだろ?図書室行こうぜ」
「うん」
私は悠の背中を追いかけるように、閉まりかけたドアに手を伸ばした。
渡り廊下を渡り、反対側の校舎に入ってすぐの場所にある図書室の前で立ち止まる。
――ガラガラ、
ドアを開けて中を覗くと、一時限目はどこのクラスも使用していないらしく、図書室は静まり返っていた。
「誰もいないね」
「いいじゃん、誰もいない方が」
「勝手に入っていいのかな」
「開いてんだからいいっしょ」
悠は暢気なことを言いながら中に入ると、窓際まで歩み寄る。
私は周りを見渡し、誰も居ないのを確認するとそっとドアを閉めた。

