「言っとくけど俺、ドーテーだから」
……えっ?
私だけでなく、教室にいた先輩たちがみんな目を丸くする。
それってつまり、梨花さんとは……。
「そういう状況はいくらでもあった。でもいざって時に怖気づいて出来なかったチキン野郎だ。なあ、そうだよな?梨花」
「……っ、そうよ!私は悠とはヤってないし、寝獲られたなんて嘘!悠がずっと日比野さんのことばかり求めて、私には全然見向きもしてくれなかったのが悔しかっただけよっ!」
梨花さんが開き直ったように言った。
「……分かってたのよ……付き合い始める前からずっと……。だって私は一度だって悠に“好き”だなんて言われたことなかったから」
梨花さんがその場に泣き崩れる。
「梨花……」
梨花さんの友達もどう声を掛けたらいいのか分からずに、彼女を見つめたまま動けないでいた。
「少しだけど梨花のことを好きになりかけてた。でもその気持ち以上に俺の中から明里に対する好きって気持ちが消えなかったんだ。嘘に想われるかもしれないけど本当だから。 ……今までいっぱい傷つけてごめん」
そんな彼女の前にしゃがみこみ、悠は頭を下げて謝った。
「頭あげてよ……もう何なのよ、これっ……みんなの前でこんなの恥ずかしいし見っとも無いじゃない」
梨花さんは涙を拭い、そのまま悠に背を向ける。

