「ごめん……」
「まあ、何となく予想はついてたけどさ」
悠はそう言って手を離した。
「梨花」
悠は視線を梨花さんへと移す。
「な、なにっ?」
梨花さんがピクッと肩を揺らして、返事をする。
「いつ俺が明里に寝とられたよ?」
怒った顔のまま、低い声で彼女にそう聞きながら近づいて行った。
「これまでのことは全部俺が悪かったって言ったよな?コイツは何も悪くねえって」
「……っ」
「俺は明里を忘れるために好きでもない梨花と付き合った。ちゃんと梨花のことを好きになるんだって自分に言い聞かせながら。でもそれは結局梨花を傷つけるだけでしかなかった。最低なのはコイツじゃなくて俺なんだよ。だから誰も明里を責める理由なんてねえ!」
悠の言葉に梨花さんがグッと唇を噛む。
「俺のことは何とでも言えばいい。自分のしたことに言い訳するつもりも誤魔化すつもりもない。周りからどんな目で見られたって構わない」
それは全て梨花さんに対してではなく、教室にいた先輩たちに向けて言った言葉だった。
「それからもう一つ」
何も言えずに黙る梨花さんを見て、悠はフッと笑みを浮かべて。

