隣りの恋ゴコロ



「明里、おはよう」


昇降口で靴を履き替えているところへ、祐実(ユミ)が走ってくる。


祐実は高校生になって初めて出来た友達だ。



「今日は二人と一緒じゃないの?」

「秀真たちなら部室行った。って言ってもすぐ来るだろうけど」

「そっか、そっか。あっ!春休み全然遊べなくてごめんね?」


手をあわせて謝る祐実に“いいって”と首を振った。



「ところで!休みの間に祥吾先輩、彼女出来たりとかしてないわよね?!」


私の体を激しく前後に揺すり、お兄ちゃんの恋愛事情を聞き出そうとする。