顔を洗ってよれてきた制服に腕を通す



そして鏡の前にある
しわくちゃの折り紙を手に取った






昔俺の大切な人がくれた苺の折り紙

12年もたってしまったから
折り目は破けてきてしわくちゃだ。






それでも俺には大切なものだった。





「いってきます」



誰の返事も帰ってこない、いってきますは
シンとした家に寂しくこだました。





今日も憂鬱な学校へ行く。