「忘れたいのはなんでなの?忘れてどうなるの?」


聖良は海斗に詰め寄る



「お前言ったよな?央玖斗と付き合ったって言った時、どんなカタチでもお前らふたりが付き合えてよかったって、運命の人ってほんとに繋がるんだなって」


聖良の目は真剣そのものだった。


確か
昔から2人ともすき同士だったくせに
釣り合わないからって


2人は離れていった。
聖良も彼氏をコロコロ変えて
央玖斗くんも彼女をひっきりなしに変えていた。



「あたしは海斗が言った言葉信じてるよ、運命の人は必ず繋がる」




聖良は泣いていた。



「海斗が行かないなら、あたしと央玖斗だけで行く」



たしかに聖良は
空手の全日本3位の実力者


央玖斗くんだって
ボクシングの全国大会出場者だ。


力では勝てるだろう。


でも、海斗くんはそれでいいのかな?




「お前らが2人いたら充分助けられる」


海斗くんは椅子に座り込んだ。



央玖斗くんは
大きい溜息をつきながら


「いくぞ、間に合わなくなる」


そう言って

2人は店から消えていった。