言わなきゃわからない?

「ここは控室なので外に…」


出ていってもらえるように促す。
しかし、小西さんはそんなことは聞かずに、あたしが空けた距離を少しずつ埋めてくる。


「避けないでくれませんか」

「避けては…」


ドアが遠い。
どうしよう。


「ただ、話がしたいんです」

「それなら外で」

「二人で話したいんです」


小西さんがきっぱりと言った。
もう、支えになるテーブルがない。
空いていた距離が無くなった。


「わかりました」


いつもとは違う、強めの雰囲気。
小西さんにはSNSのことも確認したかった。
あたしは近くにあったイスに座る。


「小西さんも座ってください」


それから小西さんにも座るように言った。
テーブルに並ぶかたちになる。
あたしは小さく深呼吸をして、身体を小西さんのほうへ向けた。