「……ふぇ……っ」



――ケッコンシヨウ。――


その言葉を聞いた瞬間



溢れだす涙。



それは、私の気持ちを実感させた。



私の……



彼を“愛してる”んだと、実感させる……涙だった。



「返事は?」



そう言う彼に……




「……お願いします。」


そう答える私。



何年ぶりかの、彼への満面の笑みで――。



そして彼は



光る指輪を、私の左手の薬指に




そっと嵌めた――




「リカ、愛してるよ……。

待たせてごめん。」






                     恋人編・fin.