星羅side


~数時間前~

「美琴・・・」



ちっ。

証拠を掴んですぐに美琴のところに行こうとしてたのに

思いのほか手間取っちゃった。

美琴なら大丈夫だと思うけど。

あ、大丈夫じゃない。

美琴は近接戦が得意だけど武器には結構弱いんだった。


やばい。私が掴んだ情報通りなら

あいつら、スタンガンを持ってるんだった。



「うっ・・・」


「美琴!」



ふざけんな。美琴にこんなことしやがって。

加奈子は何もわかってない。

美琴を倒したからって冬馬があんたに

振り向くことはあり得ないっつうの。

だって、美琴じゃなくて冬馬の方が

美琴に惚れてんだから。



「うん・・・。ごめん。ちょっと寝るね。」

「ばか。」


ばかばかばか。

私のバカ。

なんでもっと早く来なかったの?

なんで、もっとはやく証拠を掴めなかったの?

美琴は、けっこう人を信じちゃうんだよ。

疑うけど、それでも最後は信じてる。

優しすぎるんだよ。


「ばか。」


美琴のバカ。

連絡くらいくれてもいいじゃない。