「まじか〜」

「そうなの〜!すごいでしょ!」

「ほんと玲は面白いよね」

「そういう京平こそ!」




私の楽しみは京平と過ごすこの時間!
京平と付き合ってもうすぐ一年だけど、今年はクラス別れちゃったから帰りくらいしかまともに話せないんだ。





「あっ!もう駅まで着いちゃったよ...」

「寂しいね...」

さっ...
(えっ?!なんでいきなり!?)



「寂しいけどさぁ、1日に少しだから疲れ吹っ飛ぶくらいたのしいんやろ?だから我慢だよ。」

「う、うん...」

「じゃーね。」

「はい...」





(めっちゃびっくりした〜...京平はいきなりあーゆー事をするから...。普段はしないくせに...ずるい。)






でも京平は、可愛くないし、運動もそんな出来ないし、彼氏が出来るような分際じゃない私のどこに惹かれたのだろうか。
いつも教えてくれないのだ。





「ただいま〜」

「おかえりなさ〜い!手洗いうがい忘れずにね」

「うん。分かってる!」





あーいう真面目で結構モテる奴に限って、私みたいな取り柄もない女子を選んでしまうのだろうか。
どう考えてもありえないと思うが。





〜♪
「あっ。メール見よ。」
(京平からだ。)
今日のはまじで何でもない。ただお前が悲しそうにしてたから。別に俺は演技しただけ。
(でたー...ザ・ツンデレ)





京平はツンデレだ。重度のツンデレだ。出会った時もそうであった。











よろしく〜

おう!





(うわ〜、めちゃくちゃ静かな奴の隣になっちゃった...当分授業中は昼寝だ...起こしてくれそうにもないし...)



「よ、よろしくねー..」

「おう。」

(やはり静かだ。)











だが、彼はとても分かりやすかった。



「あー!!!!!教科書忘れた!!!!!」

「...貸そうか?」

「えっ?!いいの?」
(えっ!貸してくれるタイプだったのか!ありがたい!!)





「あっ!変に思うなよ。俺、なんてゆーか、えっと...」

「何?どうしたの?」

「っー...だから!1人で教科書見るの寂しいだけだから!!」

「えっ?はっ?」

「なんでないよ!!」

彼はぷいっとそっぽを向けた。でも顔を見てみると真っ赤なのだ。しかもこっちを見ていないが、明らかにこっちに目がいっている。試しに私が違うほうを向いてみると、完全にこっちを見ていた。わざと目を合わせてみると、テンパって顔を赤くし前を向いた。


(まさかだよな?)











それから、びみょーな関係を保ち続けたある日。


「うわっ!!」

「玲どうしたの?」

「虫が〜(泣)」

ぶははっっ!!!!!





「えっ?」

「いやー、オーバーリアクション過ぎだよ(爆笑)」

あっはっは!










笑っているのを見てイチコロだった。










あの不器用な顔からは想像できない、いい笑顔だった。











私はその日京平を好きになった。




















この世で一番。だれよりも。