「…えっ!ちょ、ちょっと待って!どこに行くの?!」

ぼそっとそう呟いたと思えば、
無理矢理手を繋がれてほぼ強引に歩かされた。

「ここって…。」

かなり引っ張られてつれて来られたのは、
私のよく知ってるところだった。

「俺んち。入って。」

いや、うん、隆ちゃんのお家って言うのは知ってるんだけれども!!

知ってるんだけども!

心の準備がっ!!


あの時もこんな強引だったな。。。

昔の事を思い出したけど、悟られないように


「…や、あのそれは、ね?気が引けるっていうか、ね?私なら大丈夫だから!」

堂々と幼なじみの家に入るほどの性格をしていない私は、玄関前で慌てて引き返そうとした。

「いいから、来いって。手当するだけだし。」

グイッ

「…ただいま。」

ちゃんとただいま言えるようになったんだ。

昔は言わなかったのに。

あ、また、思い出してしまった。

「お、お邪魔します…。」

結局、されるがままお邪魔してしまったんだけど…

「部屋、変わってないから。」

上がっとけってことか。

うんうん、まだ彼のことが理解できるのが怖いわ笑