彼女は、1番心許せる友達の宮之園朝妃(ミヤノソノ アサヒ)。

高校に入ってから、3年間同じクラス。

1年の時から、ずっと一緒にいる。


私と違って、女の子の代表みたいな子で。

綺麗で、でもどこか抜けててかわいい子。

目がくりくりしてて猫のあの〜、ま、マンチカンみたいにちまってしてて可愛いの。

「…なんか考え事?悩みでもあるの?」

「うーん、そういう事じゃないんだけど。」

「えー、だいじょーぶー??」

「まぁね!」

隆ちゃんのことは、何も知らないんだよね、朝妃は。

もし話したら叫び出すじゃ終わらないかも。

かっこいいから有名になっちゃってるんだけど。

それだけじゃなく、隆ちゃんは寂しがり屋王子として学校中に広まっているのだ。

理由は、前の彼女と別れる時に

『なんですぐ返信くれないの』

『もっと俺との時間増やしてよ』

そう、大勢の生徒の前で怒ったのだ。
怒ったというよりしょげたかな。

ありえないって言う人や可愛いって言う人が急増しちゃって。

まぁ、そんなこんなで、そう呼ばれるようになった、らしい。

私見てないんだけどね。

彼の行動は、もう全校生徒に広まってる。

のにも関わらず、隆ちゃんは…。

はーぁ。何考えてるんだろう。

いや、あれは何も考えてない。何も考えないで、行動してるよね。