「…え、え?なんの話?ねぇ、孝?誰の話ししてるの?私だけかな?意味分かんないんだけど。」
…朝妃。
朝妃には、話してないことが山ほどある。
これはその一つ。
「…ごめん、朝妃。意味分かんないよね。ちゃんと話すよ。」
「いやっ、お前いいのかよ!今まで黙ってた意味は!?」
「いいよ、孝。もう、これは過去のことだから。」
「理笑。教えてほしい。私だけ知らないの、友達として悲しい。隆豊と元々知り合いだったの?」
そうだよね。私も話せないのは嫌だな。
今から、話すことは中学生に上がったばかりの話。
「少し長くなるけど聞いてね。
中学入ってすぐ、学校である人と出会ったの。相手は、クラスメイト。
その人、宗(ソウ)と、出会ってすぐに仲良くなった。
宗は、少しやんちゃな人で色んな人と敵対してたんだけど、私にはすごく優しくしてくれてて。
優しい人なんだろうなってずっと思ってた。もちろん、惹かれててそう思ってた部分もあるけど。
2年にあがると、宗が急に学校に来なくなったの。
私、心配したんだけど、連絡の取りようがなくて。
ずっと学校で待ってた。
中学3年になったとき、1年間不登校になってた宗がいきなり教室まで来て、私を連れ出した。
と言っても、空き教室だけどね?笑
そこに行ったら、3人の男子がいた。見たこともない人。恐らく、宗の後輩の友達。
…そこで何されたと思う?
ねぇ。
高野くん。何されたと思う?」
