好きになってよ。【未】



「…いつから気付いてたの?」

「…あの日。3人でハンバーガー食いに来たじゃん、ここに。

あん時、突然出てったよな理笑。

見えちゃったんだよ、あいつが。高野隆豊が女とモメてるとこ。

そこめがけて走ってくもんだから、嫌でもわかるだろ。」




全部、あの時から気付いてて黙ってくれてたんだね。


「…朝妃は??気付いてた?」


「…なら、堂々と言わねーよ。家デートとか。馬鹿じゃん、理笑。」



それもそうなのかな。



「気付かないふりしててくれて、ありがとね、孝。」


孝は、傷ついたように笑った。

私がまた傷つけちゃってるのかな。

なんてことを考えながら、一緒にいつもの道を通っていた。