「あー、恥ずかしい。」 飲み屋街の店の軒先に吊るされた 真っ赤な提灯のせいなのか、 それとも酔ったせいなのか、 彼の耳が赤く染まっていて。 わたしもきっと顔が真っ赤だろうと容易に想像できるくらい身体が熱くて 少し縮まった距離でさえ、鼓動が伝わるんじゃないかと思うほどに、心臓が全身に血液を送り込んでいた。 「今日会ったばっかりなのにこんなこと言うのってきっと変なんだろうけど」 ふと、一歩前を歩いてた彼が立ち止まり、 こちらを振り返った。 「俺と同じ気持ちなら、付き合ってくれませんか?」