背中合わせ、そこから一歩。



「いえ!楽しかったし、あの時誘ってよかったなって思いました。」


嘘でも
誘ってよかったなんて言葉、嬉しいに決まってる。


「…ずるいです。」


「え?」


「人のこと、よく見てて、気を利かせてて。優しくて。人を幸せにすることをさらっと言ってのけるなんて…。そんな素敵な人のこと好きにならないわけないです。」


いよいよ心臓の鼓動の速さをごまかしきれなくなって、自然と口からそんな言葉が漏れていた。