「軽い貧血でしょう。ゆっくり休めばすぐに良くなります。後で薬湯をお持ちしますので、必ず飲んでくださいね。」
ゲリールが診察を終えると、再びカムイが顔を覗き込んできた。
「ったく、無理してんじゃねーよ。疲れてんなら言ってくれれば予定変えるのにさ…。」
カムイは髪をクシャッと撫でながら言った。
「カムイ、あの…さっき、視たんだけど…」
カムイは、信じてくれるだろうか?
それが不安で、うまく言葉を紡げない。
「エステル、言えよ。ちゃんと、信じるから。」
カムイは、私が欲しい言葉を知ってるのかな?
いつも、欲しい言葉をくれる。
「あのね、夢を視たの。…夢って思えないほどすごくリアルだった。」
ゆっくり、頭を整理しながら話す。
「武器を持って馬に乗った人が、たくさん…。多分、ここを狙ってるんだと思うの。」
エステルの言葉に、カムイは眉を寄せた。
