「…テルッ、・・エステルッ!」
誰かが私を呼んでいる…。
すぅっと意識が戻ってくるのがわかった。

目を開けると、カムイが顔を覗き込んでいた。

「エステル!大丈夫か!?」


会場前の椅子にいたはずなのに、ベッドに横になっていた。
慌てたカムイの顔が、なんか新鮮に感じた。あぁ、こんな顔もするんだ…。


「カムイ…迷惑かけて、ごめんなさい。もう、大丈夫だから。」
そう言って、起き上がろうとするのをカムイは制した。

「ゲリール、エステルを診てくれ。」
側に控えていたゲリールに言った。