「なんなの。」

亜美が呟いた。


「何が?」


俺は、何の話か理解できなかった。



「私は…私はあんたのおもちゃなんかじゃない。なんなの、思ってもないこと言って思わせぶりな態度とるのやめてよ!」



亜美は突然、声を荒らげた。


「なんの話?」


やっぱり理解が出来ない。
だって、俺は亜美のことをおもちゃだと思ったことなんて一度もないし、思わせぶりな態度なんてとった覚えもない。


「他の女の子がいること、知ってるんだからね。いい歳いったおばさんのこと弄んで何が楽しいの?
紫樹くんの方が断然いい子よねいつでも助けに来てくれるし、うちのことも分かってくれてる。」



「いい加減にしろ…」


「覚えといて、私はあんたのことなんて好きじゃないから!自惚れないでよね!」


俺はいてもたってもいられなくなって部屋を出た。