帰り同じ方向の電車に乗るのは私と洋平さんだけで、他のみんなは反対向きの電車だった。 「行くか。」 そう言って歩いてく洋平さんの一歩後ろを歩く。 「さむい。」 1月の寒さに体の芯から冷やされていく。 何の気なしに言った一言に洋平さんは自分のマフラーをとって渡してくれた。 「大丈夫です!洋平さんが寒くなっちゃいますから!」 そう言ってるのに、「うっさい、巻いとけ。」と言って首にぐるぐる巻かれた。