「いつも何してるの?」
彼はスケッチブックから顔を上げると、
『俺、猫だからねぇ〜、昼間は日向ぼっこしたり寝てたり。猫は気まぐれだからさ』
そう言ってふふっと眠そうに笑った。
不覚にも可愛いと思ってしまった。
どちらかと言うと犬より猫派な私。
確かに猫のような彼にすこし興味が湧いた。
『ねぇ、こっち向いてくれないと描けないんだけど。描いてって言ったのあんたじゃん。』
「描いてとは言って無いけどね。泉くんの分まで描くのはごめんだって言っただけ。」
『ふぅん。』
それ以降は会話せずお互い黙々と描いていた。
彼はどんな絵を描くんだろう。
猫が好きなのかな。
なんでいつも眠そうなんだろう。
兄弟はいるのかな。
興味が湧いた。

