カーネーションの花束を君に

電車の中には誰もいなくて



俺と彼女だけだ



椅子に座り彼女に目を通すと



……まじか



すやすやと安心しきった顔で眠っていた



しかも俺の服の袖を掴んで



「相変わらず豊音ちゃんには敵わないな」



何時も学校でも彼女を目で追ってしまうし



授業中でも視界に入ると何故か安心する



気付いたら



豊音ちゃんを一人の女性として見ていた