毎日ルナの学習タイム

セイちゃんデイは、オレにとって、最悪の日。
何故ならここはオカマバー。
オカマといえば、オレがここですることは限られている。

「セイちゃん」

珍しく、チェリーさんがオレの顔を真顔でまじまじと見てくる。

「な、なんですか?」

オレは正直に言っただけだ。
考えてみてほしい。やっと高校生になって、これから将来について考えていく大事な時期だというのに、『アレ』をやらないといけない。
やる側も見ている側もかなり息苦しいと思う。
だから、オレが怒られる理由なんてないはず……。

「大丈夫!仕事をするのに歳なんて関係ないわ」

キリッ!

「そこじゃないですから!気にしてほしいとこ、そこじゃないです。年頃的にアウトでしょっていう意味で……。ていうか、高校生に向かって『歳』とか言わないでください!」

イライラして、オレの眉間にシワが寄っても、チェリーさんは全く気にしない。
チェリーさんはもはや、いや、確実に、男の中の『漢』だ。

パンパンッ!

チェリーさんが二回手を叩くと、二人のオカマさんが出てきた。

「ローズ、フラン、アレを持ってきてちょうだい」

「「は〜い」」

同時に返事をした二人は店の奥に入っていった。
怪しい気配しかしないこの空気に、オレは耐えられなかった。

「聴いてますか!?オレはしませんからね。今まですごく頑張ってきたじゃないですか」

「でも、セイちゃん。今更やめられないのよ。だって、セイちゃんのおかげで売り上げが上がってるの!」

知っている。だが、それではオレはただの道具にすぎない。

オレは、『道具』になるために生まれてきたわけじゃない。